テラリウムにおすすめの植物15選|容器別・育てやすさ順の早見表

ガラス容器内のテラリウムに植えた観葉植物
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「テラリウムを作ってみたいけれど、どの植物なら枯らさずにすむのかわからない」。お店で小さなポット苗を前に、そう迷った経験がある方は多いと思います。かわいいからと選んだ植物が、数週間で溶けたりカビたりすると、がっかりしますよね。

じつはテラリウムの失敗の多くは、植物そのものより容器との組み合わせで起きています。フタつきの容器で多肉植物を育てたり、口の開いたグラスで乾燥に弱いシダを育てたりすると、丁寧に世話をしても弱ってしまいます。

この記事では、テラリウムで育てやすい植物15種を、育てやすさのランキングと比較表で紹介します。光・湿度・サイズ・枯れる原因を並べて比べられるので、自分の部屋と容器に合う植物をすぐに絞り込めます。容器別の組み合わせ例や植えてはいけない植物、失敗したときの対処法、買える場所までまとめました。読み終えるころには、「この容器にはこの植物」と自信を持って選べるようになっているはずです。

この記事は、15種を容器別・育てやすさ順に比べる早見表が中心です。植物選びの考え方を順を追って知りたい方は、テラリウムにおすすめの植物|初心者でも育てやすい種類と選び方で基本を解説しています。


目次

結論|テラリウムにおすすめの植物15選の早見表

先に結論をお伝えします。はじめての1つなら、フタつき容器にはホソバオキナゴケ、フタなし容器にはハオルチアを選べば大きく外しません。どちらも成長がゆっくりで、小さなガラスの中におさまりやすい植物です。

下の表は、15種を初心者にとっての育てやすさ順に並べたものです。「向く容器」の欄で、フタを閉じる密閉、少しすき間をあける半密閉、口が開いた開放のどれに合うかを確認できます。

育てやすさ★付き早見表(15種)

順位 植物 タイプ 向く容器 光 湿度 背丈 育てやすさ
1 ホソバオキナゴケ 苔 密閉・半密閉 明るい日陰 高め 低い ★★★★★
2 フィットニア 観葉植物 密閉・半密閉 明るい日陰 高い 低〜中 ★★★★☆
3 ハオルチア 多肉植物 開放 明るい日陰〜窓辺 低い 低〜中 ★★★★☆
4 マメヅタ 着生シダ 密閉・半密閉 弱い光〜明るい日陰 高め 低い(這う) ★★★★☆
5 エアプランツ 着生植物 開放 明るい室内 中(風通しが必須) 低〜中 ★★★★☆
6 プテリス シダ 半密閉 明るい日陰 高め 中〜高 ★★★★☆
7 ハイゴケ 苔 半密閉・開放 明るい場所 中 低い(這う) ★★★★☆
8 サボテン(小型種) 多肉植物 開放 日当たりのよい窓辺 低い 低〜中 ★★★★☆
9 ガジュマル(小苗) 観葉植物 開放 明るい窓辺 中 中〜高 ★★★★☆
10 コンテリクラマゴケ シダの仲間 密閉・半密閉 弱い光〜明るい日陰 高い 低い(這う) ★★★☆☆
11 ジュエルオーキッド ラン 密閉・半密閉 弱い光〜明るい日陰 高い 中 ★★★☆☆
12 ペペロミア(小型種) 観葉植物 半密閉・開放 明るい日陰 中 低い ★★★☆☆
13 ヒノキゴケ 苔 密閉 明るい日陰 高い 低〜中 ★★★☆☆
14 スナゴケ 苔 開放 日なた 中(蒸れに弱い) 低い ★★☆☆☆
15 モウセンゴケ 食虫植物 半密閉・開放 強い光 高い 低い ★★☆☆☆

背丈は、テラリウムで育てたときのおおよその高さです。低いは5cm前後まで、中は5〜15cm前後、高は15cmを超えるものを指します。育てやすさは「室内で、向く容器に入れた場合」の目安として見てください。

迷ったらこの3種から始める

15種のなかで、とくに失敗が少ないのは次の3つです。

  • ホソバオキナゴケ:フタつきの瓶に入れて、明るい日陰に置くだけで長く楽しめる
  • フィットニア:葉の網目模様が美しく、湿ったガラスの中でよく育つ
  • ハオルチア:多肉植物のなかでは弱い光に強く、開放のグラスで育てやすい

苔だけでは物足りない方は、ホソバオキナゴケにフィットニアを1株添えると、色と高さに変化が出ます。

密閉か開放かで植物を分ける理由

テラリウムの植物を選ぶとき、最初に決めたいのは容器のフタをするかどうかです。フタの有無で、ガラスの中の湿度と空気の流れがまるで変わります。

容器のタイプ 中の湿度 水やり 向く植物 向かない植物
完全密閉(栓・フタで閉じる) とても高い 安定後はほとんど不要 苔・シダ・フィットニア 多肉・サボテン・エアプランツ
半密閉(フタをずらす・すき間あり) 高め ガラスの曇りが消えたら霧吹き シダ・小型観葉・ハイゴケ 乾燥を好む植物
開放(フタなしのグラス・ボウル) 室内とほぼ同じ 土が乾いたら与える 多肉・サボテン・エアプランツ 乾燥に弱い苔・シダ

湿気を好む植物を開放容器に入れると、すぐに乾いて葉先が茶色くなります。反対に、乾燥を好む植物を密閉すると、蒸れて根や葉が腐ります。容器と植物の相性さえ合っていれば、世話の量は驚くほど少なくてすみます。


テラリウムの植物を選ぶ4つの基準

早見表で候補を絞ったら、自分の部屋の条件と照らし合わせましょう。見るべきところは、光・湿度・サイズ・枯れる原因の4つです。

基準 確認すること 判断の目安
光 置き場所の明るさ、育成ライトの有無 窓から離れた机なら弱い光でも育つ植物
湿度 容器にフタをするか フタありなら湿気好き、なしなら乾燥に強い植物
サイズ 1年後にどこまで育つか 容器の高さの半分くらいにおさまる植物
枯れる原因 自分の生活で起きやすい失敗か 留守が多いなら水切れに強い植物

光は「置き場所の明るさ」から逆算する

植物は光がないと育ちません。とはいえ、テラリウムに直射日光は禁物です。ガラスの中は熱がこもり、夏場はとくに中が蒸し風呂のようになります。

デスクワーク中心の方なら、日中の部屋が明るくても、植物を置ける場所は窓から離れていることが多いでしょう。そんなときは、苔やシダ、ジュエルオーキッドなど弱い光でも育つ植物を選びます。サボテンやモウセンゴケのように強い光を好む植物は、窓辺に置けるか、育成ライトを使えるかで決めましょう。

光が足りない部屋でも、植物育成用のLEDライトを1台用意すれば選べる植物の幅が広がります。タイマーで点灯時間を自動化できるタイプ、たとえばタイマー付きの植物育成LEDライトなら、毎日のスイッチ操作も不要です。ライトの選び方はテラリウムのライトの選び方|容器サイズ別のワット数と点灯時間で詳しく解説しています。

湿度は容器のフタで決まる

湿度は、植物の好みに合わせて容器で調整します。湿気を好むのは、苔・シダ・フィットニア・ジュエルオーキッドなどです。乾燥を好むのは、多肉植物・サボテン・エアプランツです。

この2つのグループは、同じ容器に入れないことが鉄則です。どちらか片方に合わせると、もう片方が弱りやすくなります。

サイズは「1年後の大きさ」で考える

お店に並ぶポット苗は、どれも小さくてかわいらしいものです。けれども、成長の早い植物は数か月で容器いっぱいに広がります。

目安として、容器の高さの半分くらいにおさまる植物を選ぶと、レイアウトが長持ちします。プテリスやガジュマルのように大きくなる植物は、伸びたら切る、いずれ鉢へ移すと決めておけば問題ありません。

枯れる原因が自分の生活と合うかを見る

植物にはそれぞれ苦手なことがあります。フィットニアは乾燥、ハオルチアは水のやりすぎ、ジュエルオーキッドは夏の暑さに弱い植物です。

出張や帰省で家を空けることが多いなら、水切れに弱い開放容器のシダは避けたほうが安心です。完全密閉の苔テラリウムなら、数週間の留守でも水分が保たれやすくなります。自分の暮らし方で起きやすい失敗を想像しながら選ぶと、枯らす確率はぐっと下がります。


密閉向きのおすすめ植物|苔・シダ・ラン・観葉植物

ここからは、15種をタイプ別に紹介します。まずは、フタつきの容器で湿度を保つと元気に育つ6種です。

植物 光 湿度 枯れる主な原因 相性のよい苔 相性のよい容器
ホソバオキナゴケ 明るい日陰 高め 夏の高温による蒸れ ヒノキゴケ フタつきの瓶
フィットニア 明るい日陰 高い 乾燥・冬の寒さ ホソバオキナゴケ 半密閉のキャニスター
マメヅタ 弱い光〜明るい日陰 高め 長期間の乾燥 ホソバオキナゴケ 流木や石を入れた瓶
コンテリクラマゴケ 弱い光〜明るい日陰 高い 乾燥 ホソバオキナゴケ 広口の密閉容器
ジュエルオーキッド 弱い光〜明るい日陰 高い 夏の高温・冬の低温 ホソバオキナゴケ 高さのある半密閉容器
ヒノキゴケ 明るい日陰 高い 乾燥・高温 ホソバオキナゴケ 背の高い密閉ボトル

苔テラリウムの日々の管理は、苔テラリウムの育て方|枯らさない水やりと管理のコツを初心者向けに解説にまとめています。

1位 ホソバオキナゴケ|はじめての1種に選びたい定番の苔

ホソバオキナゴケは、こんもりと丸く茂る苔です。盆栽の表土に張られることも多く、苔テラリウムの定番として広く使われています。

成長がゆっくりで、形が崩れにくいのが大きな長所です。乾くと白っぽくなり、湿ると鮮やかな緑に戻るので、水が足りているかを色で判断できます。

苦手なのは、夏の高温と蒸れです。密閉容器を窓辺に置くと、中が熱くなって茶色く傷みます。夏はエアコンの効いた部屋の、直射日光が当たらない場所に移しましょう。ほかの苔との違いは苔の種類一覧|身近な15種の見分け方と育てやすさを解説で比べています。

はじめてなら、苔テラリウム用に小分けされたパック苔を使うと、必要な量だけ無駄なくそろえられます。

2位 フィットニア|網目模様の葉で彩りを足す観葉植物

フィットニアは、葉に白や赤の網目模様が入る小型の観葉植物です。苔だけの景色に1株入れるだけで、ぱっと華やかになります。

湿度の高い環境を好むため、密閉や半密閉の容器と相性がよい植物です。反対に、乾燥にはとても弱く、水が切れると短時間で葉がぐったりと垂れます。早めに水を与えれば戻ることも多いので、慌てず霧吹きをしましょう。

寒さにも弱いため、冬は室温10℃以上、できれば15℃前後を保てる場所に置きます(地域や環境によって前後します)。葉がガラスに触れたままだと、その部分から傷みやすくなる点にも注意してください。詳しい管理はフィットニアの育て方|乾燥に弱い葉を枯らさないコツで解説しています。

4位 マメヅタ|石や流木に這わせて楽しむ着生シダ

マメヅタは、丸く小さな葉が連なるシダの仲間です。木の幹や岩に張りついて育つ着生(ちゃくせい)植物で、土に植えなくても育ちます。着生とは、ほかの植物や石に根を張りつけて暮らす性質のことです。

日本の山野にも自生している身近なシダです。弱い光でも育つので、窓から離れた机の上でも管理しやすいでしょう。

流木や溶岩石に根元を軽く固定しておくと、少しずつ這うように広がります。乾燥が続くと葉が縮みますが、霧吹きで湿らせると元に戻ります。苔の上を這わせると、山の岩場のような景色を作れます。

10位 コンテリクラマゴケ|青く光る葉が目を引くシダの仲間

コンテリクラマゴケは、イワヒバの仲間の植物です。名前に「コケ」とつきますが、苔ではなくシダに近いグループに入ります。光の当たり方によって、葉が青みがかった金属のような色に見えるのが特徴です。

高い湿度を好むので、密閉容器の中が向いています。乾燥すると葉先から縮れて茶色くなるため、開放容器には向きません。

地面を這うように広がり、条件が合うと思いのほか早く伸びます。ほかの植物を覆いはじめたら、ハサミで切り詰めて形を整えましょう。

11位 ジュエルオーキッド|宝石のような葉を持つ小さなラン

ジュエルオーキッドは、花よりも葉の模様を楽しむランの総称です。黒や緑の葉に、金色や銀色の葉脈がきらきらと浮かび上がります。

もともと森の地面で育つため、弱い光と高い湿度を好みます。テラリウムとの相性はよい一方で、温度への注意が欠かせません。生育に適した温度は、おおむね18〜28℃です。冬は15℃前後を下回らないようにし、夏は30℃を超えない場所に置きましょう。

密閉に近い容器では空気がこもりやすいので、ときどきフタを開けて空気を入れ替えます。種類による違いや水やりはジュエルオーキッドの育て方|初心者でも失敗しない水やりと置き場所で詳しく紹介しています。

13位 ヒノキゴケ|ふさふさの立ち姿で奥行きを出す苔

ヒノキゴケは、細い葉がふさふさと立ち上がる苔です。名前のとおり、小さなヒノキの林のような姿をしています。背が出るぶん、容器の奥に植えると景色に奥行きが生まれます。

乾燥にとても弱く、乾くとすぐに葉が縮れます。そのため、フタをして湿度を保てる密閉容器でないと長持ちしません。高温にも弱いので、夏場の置き場所はホソバオキナゴケ以上に気をつけましょう。

背の低いホソバオキナゴケを手前に、ヒノキゴケを奥に植えると、苔だけで高低差のある森を作れます。ヒノキゴケはパック入りのヒノキゴケでも手に入ります。


半密閉向きのおすすめ植物|シダ・苔・観葉植物・食虫植物

続いては、湿度は好むものの、閉じきると蒸れやすい4種です。フタを少しずらすか、すき間のある容器で育てます。

植物 光 湿度 枯れる主な原因 相性のよい苔 相性のよい容器
プテリス 明るい日陰 高め 水切れ・葉のガラス接触 ホソバオキナゴケ 高さのある半密閉容器
ハイゴケ 明るい場所 中 光不足による徒長・蒸れ 単独でも広がる 口の広いボウル
ペペロミア(小型種) 明るい日陰 中 水のやりすぎによる根腐れ ハイゴケ 半密閉〜開放のグラス
モウセンゴケ 強い光 高い 光不足・肥料 水苔 腰水できる容器

6位 プテリス|細い葉が涼しげなシダ

プテリスは、細く切れ込んだ葉が涼しげなシダです。苔の上に1株立てるだけで、景色に高さが出ます。

明るい日陰と湿った空気を好み、半密閉の容器でよく育ちます。苦手なのは水切れです。土が乾ききると、葉先から茶色く枯れこんでしまいます。

成長すると葉が広がり、ガラスに触れた部分が傷みやすくなります。外側に広がった古い葉は根元から切り、株の形を整えましょう。枯れる原因と対処法はプテリスの育て方|枯れる原因と茶色くなった葉の対処法で詳しく扱っています。

7位 ハイゴケ|明るい場所でじゅうたんのように広がる苔

ハイゴケは、地面を這うように広がる苔です。苔玉や盆栽の表土にもよく使われ、苔のなかでも手に入りやすい種類です。

ホソバオキナゴケより光を好み、成長も早めです。完全密閉の暗い場所では、ひょろひょろと間延びする徒長(とちょう)を起こしやすくなります。徒長とは、光が足りずに茎や葉が細長く伸びてしまう状態のことです。

明るい場所で、半密閉か開放の容器に入れて育てましょう。広がりすぎたら、ハサミで刈り込めば形を保てます。性質や増やし方はハイゴケの育て方|苔玉・盆栽の表土に使える万能な苔を解説で紹介しています。

12位 ペペロミア(小型種)|ころんとした葉が並ぶ観葉植物

ペペロミアは、肉厚の葉を持つ観葉植物の仲間です。テラリウムでは、小さな丸い葉が連なって這うプロストラータなど、小型の種類が使われます。

葉に水をためこむ性質があり、乾燥にはある程度耐えます。一方で、土がいつも湿った状態は苦手です。完全密閉で育てると、根腐れや葉の傷みが起きやすくなります。

湿り気のある空気は好むので、半密閉の容器で、土の表面が乾いてから水を与えるくらいがちょうどよいでしょう。観葉植物を組み合わせたテラリウムの作り方は、観葉植物のテラリウムの作り方|初心者でも育てやすい種類と手順を解説で手順を追って解説しています。

15位 モウセンゴケ|粘液で虫をとらえる小さな食虫植物

モウセンゴケは、葉の表面にきらきらした粘液の粒をつける食虫植物です。ガラスの中で湿度が保たれると、粘液がよく出て見ごたえが増します。

育てやすさを★2つにしたのは、条件がほかの14種とかなり違うからです。強い光が必要で、窓から離れた机では育成ライトが欠かせません。また、肥料入りの土は根を傷めるため、肥料を含まない水苔やピートモスで植えます。

容器の底に水が少したまる状態を保つ、腰水(こしみず)という方法で育てます。腰水とは、受け皿や容器の底に水を張り、下から水を吸わせる方法です。詳しくはモウセンゴケの育て方|腰水と休眠期の管理のコツを解説をご覧ください。

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開放向きのおすすめ植物|多肉植物・サボテン・エアプランツ・観葉植物

最後は、フタをせず、風が通る状態で育てる5種です。どれも蒸れに弱く、密閉すると傷みます。

植物 光 湿度 枯れる主な原因 相性のよい素材 相性のよい容器
ハオルチア 明るい日陰〜窓辺 低い 水のやりすぎ 化粧砂・小石 口の広いグラス
エアプランツ 明るい室内 中 蒸れ・水のやりすぎ 流木・石 口の開いたガラス球
サボテン(小型種) 日当たりのよい窓辺 低い 光不足・過湿 化粧砂・溶岩石 浅いボウル
ガジュマル(小苗) 明るい窓辺 中 光不足・根腐れ ハイゴケ 背の高い開放容器
スナゴケ 日なた 中 蒸れ・光不足 砂・小石 浅いガラス皿

3位 ハオルチア|弱い光に強い多肉植物

ハオルチアは、透き通った葉先が美しい多肉植物です。葉の先に「窓」と呼ばれる半透明の部分を持つ種類が多く、光を通すとぷっくりと輝きます。

強い日ざしを好む多肉植物が多いなか、ハオルチアはレースカーテン越しのやわらかい光でも育ちます。強い直射日光には、かえって葉焼けを起こすことがあります。窓から少し離れた室内のテラリウムにも向く性質です。

注意したいのは水のやりすぎです。穴のないガラス容器では、底にたまった水が根を腐らせます。土が完全に乾いてから、容器の底に水がたまらない量を与えましょう。多肉植物のテラリウムの作り方は、多肉植物のテラリウムの作り方|枯らさない材料・手順・育て方を初心者向けに解説で詳しく紹介しています。

5位 エアプランツ|土を使わず飾れる着生植物

エアプランツは、ティランジアという植物の仲間です。木の枝などに着生して育ち、土がなくても生きられます。ガラス球に入れて吊るすだけで、すっきりとした飾り方ができます。

ただし、空気中の水分だけで育つわけではありません。霧吹きで水を与えたり、ときどき水に浸したりする必要があります。大切なのは、水を与えたあとにしっかり乾かすことです。株の中心に水が残ったまま蒸れると、根元から腐ってしまいます。

この性質のため、フタつきの容器には入れられません。口の開いたガラス容器に、流木や石と一緒に置きましょう。飾るときは、エアプランツ用の小さなスタンドやワイヤーハンガーを使うと、ガラスの中で株が安定します。

8位 サボテン(小型種)|光さえあれば手間のかからない多肉植物

サボテンは乾燥に強く、水やりの回数が少なくてすむ植物です。小さな球形の種類なら、砂や石と組み合わせて砂漠のような景色を作れます。

ただし、ほかの植物以上に光を必要とします。暗い場所に置くと、上へ細長く伸びて形が崩れます。日当たりのよい窓辺に置けるか、育成ライトを使えるかを確かめてから選びましょう。

湿気がこもると根腐れを起こすので、フタは外しておきましょう。密閉がだめな理由と作り方は、サボテンテラリウムの作り方|密閉NGの理由と砂漠風レイアウトで解説しています。

9位 ガジュマル(小苗)|気根の姿を楽しむ観葉植物

ガジュマルは、幹の根元から伸びる気根(きこん)が個性的な観葉植物です。気根とは、幹や枝から空中に伸びる根のことです。小さな苗はテラリウムの主役にもなります。

丈夫な植物ですが、明るい光をしっかり当てないと徒長します。密閉容器を窓辺に置くと中が熱くなるため、フタのない開放容器で育てましょう。冬は寒さで弱りやすいので、冷え込む窓際から離して管理します。

成長が早いため、いずれ容器が窮屈になります。テラリウムでは大きくなったら鉢へ移す前提で楽しむのがおすすめです。容器選びと鉢へ移す目安はガジュマルをテラリウムで育てる方法|容器選びと卒業の目安にまとめています。

14位 スナゴケ|日なたを好む星形の苔

スナゴケは、乾くと葉を閉じ、湿ると星のように開く苔です。苔のなかでは珍しく、日なたと乾燥に強い性質を持っています。

そのぶん、湿気がこもる密閉容器は苦手です。フタをすると蒸れて黒ずみ、光が足りないと間延びします。室内で育てるなら、日がよく当たる窓辺に浅い開放容器で置くか、育成ライトを組み合わせましょう。

室内のテラリウムとしては条件が限られるため、★2つにしています。屋外のベランダで苔を楽しみたい方には、むしろ扱いやすい苔です。性質と増やし方はスナゴケの育て方|日なたに強い苔の特徴と増やし方を解説で詳しく紹介しています。


容器タイプ別の組み合わせ例

植物を単体で選べたら、次は組み合わせです。同じ容器に入れる植物は、光と湿度の好みが近いものどうしでまとめましょう。

容器 組み合わせ例 置き場所 管理のポイント
密閉ボトル(コルク栓・フタつき瓶) ホソバオキナゴケ+ヒノキゴケ+マメヅタ 明るい日陰 ガラスが一日中曇るなら換気する
半密閉キャニスター フィットニア+プテリス+ホソバオキナゴケ 明るい日陰 曇りが消えたら霧吹きする
開放グラス・ボウル ハオルチア+小型サボテン+化粧砂 窓辺 土が乾いてから少量の水
吊るすガラス球 エアプランツ単独 明るい室内 水やり後はよく乾かす
水槽(幅30cm前後〜) ジュエルオーキッド+フィットニア+マメヅタ+ホソバオキナゴケ 明るい日陰+ライト フタを少しずらして空気を入れる

密閉ボトルで作る「苔の森」

いちばん手間がかからないのは、苔とシダだけでまとめる密閉ボトルです。手前に背の低いホソバオキナゴケ、奥にヒノキゴケを植えると、自然な奥行きが出ます。小さな流木や石にマメヅタを這わせれば、苔むした森の一角のような景色になります。

コルク栓つきのガラスボトルのように、コルク栓やパッキンつきのフタがある容器を選ぶと、湿度が安定して霧吹きの回数をぐっと減らせます。水が容器の中で巡る仕組みや、フタを閉じたまま育てるコツは完全密閉テラリウムの作り方|水やり不要の仕組みと植物選びで詳しく解説しています。

半密閉キャニスターで作る「葉もの寄せ植え」

フィットニアの網目模様とプテリスの細い葉を組み合わせると、色と形の対比が楽しめます。足もとをホソバオキナゴケで覆えば、土が見えずに仕上がりが整います。

半密閉の容器は、手やピンセットを入れやすい広口のものが扱いやすいでしょう。フタは完全に閉じず、少しずらしておきます。

開放グラスで作る「乾燥地の景色」

ハオルチアと小型のサボテンを並べ、表面を化粧砂や小石で覆うと、乾いた大地のような景色になります。どちらも乾燥を好むので、水やりのリズムをそろえられます。

ここに苔を足したくなるかもしれませんが、苔は入れないでください。苔に合わせて水を与えると、多肉植物の根が傷みます。

水槽サイズで作る「小さなジャングル」

幅30cm前後の水槽を使うと、ジュエルオーキッドやフィットニアなど、複数の植物をゆったり配置できます。容器が大きいぶん温度や湿度の変化がゆるやかになり、小さな瓶より環境が安定します。

上部に育成ライトを置けば、窓から遠い部屋でも管理できます。水槽を使った作り方は、水槽で作るテラリウムの始め方|サイズの選び方と植物・管理のコツで紹介しています。

一緒に植えてはいけない組み合わせ

組み合わせで失敗しやすいパターンも押さえておきましょう。

組み合わせ うまくいかない理由
苔+多肉植物 苔に合わせると多肉が腐り、多肉に合わせると苔が乾く
フィットニア+サボテン 湿度と光の好みが正反対
エアプランツ+密閉の苔 エアプランツが蒸れて腐る
ヒノキゴケ+スナゴケ 片方は湿気、片方は日なたと乾燥を好む

苔テラリウムと多肉テラリウムは、置き場所と好みで選び分けるものです。両方楽しみたいなら、容器を2つに分けましょう。


テラリウムに植えてはいけない植物

ここまで紹介した15種とは反対に、テラリウムには向かない植物もあります。大きく分けると、大きくなりすぎる植物と、密閉すると傷む植物の2つです。

植えてはいけない植物の例 理由 代わりに選びたい植物
ミント・バジルなどのハーブ 成長が早く、強い光と風通しを必要とする ハイゴケ(開放容器)
ポトス・アイビーなどつる性の観葉植物 つるが伸びて小さな容器をすぐに埋める マメヅタ、ペペロミア(小型種)
モンステラなど大きく育つ観葉植物 葉が大きく、容器のサイズに合わなくなる フィットニア
ミニバラなど多くの花もの 強い光が必要で、花がらがカビの原因になる ジュエルオーキッド
多肉・サボテン・エアプランツ(密閉の場合) 蒸れて根や株元が腐る 開放容器で育てる
屋外で採った野草や苔 虫や病気を持ち込むおそれがある 園芸店で買った苗

大きくなりすぎる植物

ポトスやアイビーは丈夫で育てやすい観葉植物です。ただ、つるがどんどん伸びるので、手のひらサイズのテラリウムではすぐに窮屈になります。大きな水槽で、こまめに切り戻せるなら使えなくはありません。それでも、小さな瓶から始めるなら避けましょう。

ハーブも同じです。成長が早いうえに強い光を好むため、ガラスの中では徒長と蒸れが同時に起きます。

密閉すると傷む植物

多肉植物・サボテン・エアプランツは、植物としては育てやすい部類に入ります。それでも、フタつきの容器に入れると、湿気で根や株元が腐ってしまいます。

お店で多肉植物がフタつきの容器に入って売られていることもあります。家に持ち帰ったら、フタを外して開放容器として使いましょう。

屋外から持ち込む野草・苔の注意

散歩中に見つけた苔や野草を使いたくなることもあるでしょう。けれども、屋外の植物には小さな虫や卵、カビの胞子がついていることがあります。密閉容器の中では、それらが一気に増えてしまうこともあります。

また、公園や他人の土地、山林で植物を採ることは、場所によっては禁止されています。テラリウムに使う植物は、園芸店や通販で育てられた苗を選ぶと安心です。


テラリウムの植物でよくある失敗例と対処法

植物選びが合っていても、管理のしかたで調子を崩すことはあります。よくある症状と原因、対処法を一覧にしました。

症状 考えられる原因 対処法
白い綿のようなカビが出る 換気不足・水の与えすぎ・枯れ葉の放置 カビた部分を取り除き、フタを開けて数日乾かす
苔が茶色くなる 夏の高温による蒸れ、または乾燥 涼しい日陰に移し、ガラスの曇り具合で水分を調整
茎や葉がひょろひょろ伸びる 光不足による徒長 明るい場所に移すか、育成ライトを使う
葉が黒く溶けるように傷む 蒸れ・寒さ・葉のガラス接触 換気し、傷んだ葉を切る。冬は暖かい部屋へ
多肉植物がぶよぶよになる 水のやりすぎ・密閉 フタを外し、水やりを止めて乾かす
土の表面に小さな虫が飛ぶ 湿った土や有機物でコバエが発生 枯れ葉を取り、土の表面を乾かし気味にする

カビが生えたとき

テラリウムでいちばん多い相談がカビです。白くふわふわしたものを見つけたら、ピンセットや綿棒で取り除きます。そのあと、フタを開けて数日乾かしましょう。

枯れた葉や、植えつけのときに入った古い土はカビの温床になります。こまめに取り除くだけで、発生はかなり抑えられます。症状ごとの見分け方は苔テラリウムが枯れる・カビる原因と対処法|症状別の見分け方で詳しく解説しています。

先の細いロングピンセットがあると、容器の奥のカビや枯れ葉もつまみやすくなります。

ロングピンセット

葉が溶ける、黒くなるとき

フィットニアやジュエルオーキッドの葉が黒く溶けるように傷むときは、蒸れか寒さを疑います。ガラスの内側に一日中水滴がついているなら、水分が多すぎるサインです。フタを少しずらし、空気が入れ替わるようにしましょう。

冬なら、窓際の冷え込みが原因のこともあります。夜だけ部屋の内側に移すと、傷みを防げます。

ひょろひょろ伸びるとき

植物が上へ細長く伸びたり、色が薄くなったりしたら、光が足りていません。伸びてしまった部分は元に戻らないので、切り戻してから明るい場所へ移します。

窓から遠い場所に置きたいなら、育成ライトを使えば解決できます。点灯時間は、1日8〜12時間ほどを目安に、植物の様子を見ながら調整しましょう。

土の表面に虫が飛ぶとき

土の上を小さな虫が飛んでいたら、コバエの仲間かもしれません。湿った土や、腐葉土などの有機物を好んで発生します。枯れ葉を取り除き、しばらく土の表面を乾かし気味にすると落ち着くことがあります。発生原因と駆除方法は、観葉植物の土に出るコバエの対策は?発生原因と駆除方法を解説が参考になります。


テラリウムの植物はどこで買える?購入先の選び方

植物が決まったら、どこで手に入れるかを考えましょう。購入先ごとに、そろう植物の種類や価格の傾向が違います。

購入先 手に入りやすい植物 価格の傾向 向いている人
100円ショップ 小さな多肉植物・サボテン・エアプランツ とても手ごろ まずは気軽に試したい人
ホームセンター・園芸店 観葉植物のミニ苗・多肉・パックの苔 手ごろ 実物を見て選びたい人
苔・テラリウムの専門店 苔の種類が豊富、シダや小型植物も 中程度 苔テラリウムを本格的に作りたい人
通販 ジュエルオーキッドなどの珍しい種類も 手ごろ〜高め 近くに専門店がない人

苔やミニ観葉植物のポット苗は、比較的手ごろな価格で手に入ります。一方で、ジュエルオーキッドの珍しい品種や、形の整った大きめの株は値が張ることもあります。最初は手ごろな苗で始め、慣れてから気になる品種に手を広げると、失敗したときの負担も小さくすみます。

店頭で元気な株を見分けるコツ

実店舗で選ぶなら、次の点を確かめましょう。

  • 葉の色が濃く、つやがある
  • 葉の裏や株元に虫やカビがついていない
  • 苔は、茶色く枯れた部分が少なく、ふっくらしている
  • 多肉植物は、葉がしわしわになっていない

材料ごとの買える場所は、苔テラリウムの材料はどこで買える?ホームセンター・100均・専門店を比較で詳しく比べています。

苔や植物、容器、土がひとまとめになった動画付きの苔テラリウム制作キットなら、組み合わせに迷わずすぐに作りはじめられます。


テラリウムの植物に関するよくある質問

初心者は密閉と開放のどちらから始めるべきですか?

置き場所で決めるのがいちばんです。窓から離れた明るい日陰なら、苔を使った密閉や半密閉から始めましょう。水やりの手間が少なく、苔は弱い光でも育ちます。日当たりのよい窓辺に置けるなら、ハオルチアやサボテンを使った開放容器が向いています。

100円ショップの植物でもテラリウムは作れますか?

作れます。100円ショップでは、小さな多肉植物やサボテン、エアプランツが手に入ることがあります。容器やピンセットなどの道具もそろうので、気軽に始めたい方には便利です。ただし、植物の状態は店舗や入荷時期によってばらつきがあります。購入前に、葉や株元の様子をよく確かめましょう。作り方はテラリウムを100均で作る方法|材料・手順・コツを初心者向けに解説で紹介しています。

テラリウムの植物に肥料は必要ですか?

苔や、密閉容器の植物には基本的に肥料は要りません。ガラスの中で肥料を与えると、藻やカビが増える原因になります。モウセンゴケは、肥料で根を傷めるため与えないでください。開放容器のガジュマルなどが春から秋に育つ時期には、薄めた液体肥料を与えてもかまいません。濃さは製品によって異なるので、表示より薄めから始めると安心です。

霧吹きの水は水道水でもいいですか?

苔や観葉植物、多肉植物は、水道水で育てられます。気になる場合は、汲み置きした水を使ってもかまいません。モウセンゴケなどの食虫植物は、ミネラル分の少ない雨水や精製水を好みます。水道水を使うなら、腰水の水をときどき入れ替えましょう。

テラリウムの植物はどれくらい長持ちしますか?

植物と管理しだいで、1年以上同じ容器で楽しむことも十分にできます。ホソバオキナゴケのように成長がゆっくりな苔は、条件が合えば長く姿を保ちます。一方、プテリスやガジュマルなど成長の早い植物は、伸びた部分を切ったり、大きくなったら鉢へ移したりする必要があります。テラリウムは完成したら終わりではなく、少しずつ手を入れながら育てていくものと考えましょう。

育成ライトだけで植物は育ちますか?

植物育成用のライトがあれば、窓のない場所でも育てられます。苔やシダは、比較的弱い光でも育つのでライトとの相性がよい植物です。サボテンやモウセンゴケのように強い光を好む植物は、ライトを近めに設置するか、明るさのあるタイプを選びましょう。ライトを近づけすぎると、密閉容器の中が温まる点には注意してください。


まとめ|容器に合う植物を選べばテラリウムは枯れにくい

テラリウムの植物選びで迷ったら、まず容器のフタをするかどうかを決めましょう。湿気を好む植物はフタつきの容器に、乾燥を好む植物はフタなしの容器に入れます。この組み合わせを守るだけで、失敗の多くは防げます。

この記事のポイントを振り返ります。

  • はじめての1種なら、密閉にはホソバオキナゴケ、開放にはハオルチア
  • 密閉向きは、ホソバオキナゴケ・フィットニア・マメヅタ・コンテリクラマゴケ・ジュエルオーキッド・ヒノキゴケ
  • 半密閉向きは、プテリス・ハイゴケ・小型のペペロミア・モウセンゴケ
  • 開放向きは、ハオルチア・エアプランツ・小型のサボテン・ガジュマル・スナゴケ
  • 選ぶ基準は、光・湿度・サイズ・枯れる原因の4つ
  • 苔と多肉植物のように、好みが正反対の植物は同じ容器に入れない
  • ハーブやつる性の観葉植物、密閉した多肉植物は避ける
  • カビや徒長が出たら、換気と光の量を見直す

次の休日には、部屋の中でテラリウムを置きたい場所を決めてみましょう。窓からの距離がわかれば、選ぶべき容器と植物は自然に決まります。早見表から気になる1種を選び、小さなガラスの中に自分だけの景色を作ってみませんか?

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この記事を書いた人

盆栽・庭木・観葉植物の育て方や選び方を発信する「sabi-green.」の編集チームです。専門書や生産者・園芸店の情報、専門サイトの情報などをもとに、初心者が疑問に思いやすいポイントを整理してお届けしています。

「盆栽は難しそう」「すぐ枯らしてしまう」という悩みを自分自身も経験してきたからこそ、専門書的な正しさよりも、初心者が実際につまずくポイントに寄り添った情報をお届けしたいと考えています。

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