テラリウムの土の選び方|ソイル・赤玉土の違いと層の作り方

テラリウムの土の選び方と層の作り方
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テラリウムを作ろうと材料を調べ始めると、最初に迷うのが土です。専用のソイル、赤玉土、鹿沼土と種類が多く、どれを買えばよいのか決めきれません。ホームセンターや100均の土で代用できるのか、穴のないガラス容器で根腐れしないのかも気になるところでしょう。

土選びを間違えると、数週間で白いカビが生えたり、容器を開けた瞬間に嫌なにおいがしたりします。裏を返せば、カビやにおいの主な原因は、肥料や有機物を含む土を穴のない容器に入れることです。ここを避けるだけで、トラブルの多くは防げます。

この記事では、テラリウムの土の種類と違いを比較表で整理し、苔・多肉植物・観葉植物ごとの選び方をわかりやすく解説します。底から重ねる層の作り方と厚みの目安、穴なし容器での水の逃がし方、ホームセンターや100均で土を買うときのチェックポイントもまとめました。読み終えるころには、袋の表示を見ただけで「これなら使える」と自分で判断できるようになります。

テラリウムの種類や始め方から知りたい方は、テラリウムとは?種類・始め方・植物の選び方を初心者向けに解説を先にご覧ください。


目次

テラリウムの土選びで失敗しやすい理由

鉢植え用の土をそのまま入れて失敗するケースは少なくありません。原因は、ガラス容器と植木鉢では土の置かれる環境がまったく違うことにあります。

鉢植えとテラリウムでは土の環境が違う

比べる点 植木鉢 テラリウム(ガラス容器)
余分な水 鉢底の穴から流れ出る 容器の底に残る
肥料分 水やりのたびに少しずつ流れる 流れ出ずにたまり続ける
湿度 風に当たって乾く 高いまま保たれる
有機物(腐葉土など) 分解が進んでも問題が出にくい カビ・コバエ・においの原因になる

ガラス容器の中は、水も栄養も逃げ場がない閉じた空間です。鉢植えなら問題にならない肥料や腐葉土が、テラリウムではそのままトラブルの種になります。

テラリウム向きの土の3条件

テラリウムに入れる土は、次の3つを満たすものを選びましょう。

  • 肥料と有機物をほとんど含まないこと
  • 粒状で、すき間に水と空気が通ること
  • 粒が崩れにくく、微塵(みじん:粉状になった細かい土)が少ないこと

この条件にあてはまるのが、赤玉土・鹿沼土・テラリウム用ソイルです。次の章で、それぞれの違いを比べていきます。


テラリウムの土の種類と違い|ソイル・赤玉土・鹿沼土を比較

テラリウムで使う素材は、植物を植える土と、底や間に入れる補助材に分かれます。役割ごとに整理しました。

素材 役割 特徴 入れる場所 気をつけたい点
赤玉土 植え込み 保水と水はけのバランスがよく、肥料分を含まない 土の層 年月がたつと粒が崩れて泥っぽくなる
鹿沼土 植え込み 火山噴出物由来の軽い土で酸性寄り。乾くと白っぽく色が変わる 土の層 白い粒をカビと見間違えやすい
ソイル 植え込み 土を焼き固めた粒状のものが多い。形と色がそろい見た目が整う 土の層 価格は高め。栄養を含む製品もある
軽石 排水層 穴が多く軽い。粒のすき間に余分な水をためる 底 細かすぎると水がたまる空間ができない
ゼオライト 根腐れ防止 多孔質の鉱物で、においの元になる成分を吸着する 排水層の上に薄く 水のやりすぎまでは防げない
ミズゴケ 保水・仕切り 水をよく含む。土が排水層に落ちるのを防ぐ 排水層と土の間 厚く敷くと乾きにくくなる
活性炭 浄化 においや不純物を吸着する 底に少量 粉状は水を濁らせるので粒状を選ぶ

植え込みの土は、赤玉土・鹿沼土・ソイルのどれか1つ、または2種類を混ぜて使います。補助材は全部そろえる必要はありません。軽石と、ゼオライトか活性炭のどちらかがあれば十分です。

赤玉土とソイルはどちらを選ぶべき?

最初の1つなら、赤玉土の細粒で十分です。安く手に入り、肥料分がないので扱いやすい土です。小さな容器で試すなら、5Lの少量から買える硬質赤玉土のような容量の小さいものが使い切りやすいでしょう。苔の緑を引き立てたい、黒っぽい地面で落ち着いた雰囲気にしたいなら、ソイルを選びましょう。苔テラリウム向けにブレンドされた2Lのソイルのように、用途が明記された製品なら選びやすくなります。

比べる点 赤玉土 ソイル
価格 安い やや高い
見た目 明るい赤茶色 黒〜焦げ茶色で苔が映える
肥料分 なし 製品による(袋の表示を確認)
主な買える場所 ホームセンター・100均 園芸店・アクアリウムショップ・通販

アクアリウム用のソイルには、水草向けに栄養を多く含んだタイプがあります。テラリウムに使うなら、テラリウム用や苔用と書かれたものを選ぶほうが安心です。

鹿沼土を混ぜると水やりのタイミングがわかる

鹿沼土は、湿っていると黄色っぽく、乾くと白っぽく変わります。赤玉土に混ぜておくと、ガラス越しに土の乾き具合が見えて、水やりの判断がしやすくなります。


植物別|苔・多肉・観葉植物に合うテラリウムの土の早見表

同じテラリウムでも、育てる植物によって合う土は変わります。まずは早見表で全体をつかみましょう。

植物 合う土 粒の大きさ 排水層の目安 土の厚みの目安 容器
苔 赤玉土・鹿沼土・苔用ソイル 細粒 1〜2cm 2〜4cm フタつき・半密閉
多肉植物・サボテン 肥料なしの多肉用土、赤玉土+軽石 小粒 1〜3cm 3〜5cm フタなし
観葉植物(フィットニア・シダなど) 赤玉土+ソイル、無機質の観葉用土 細粒〜小粒 2〜3cm 3〜5cm 半密閉

厚みはどれも目安です。容器が小さいほど薄めに、大きいほど厚めに調整します。

苔テラリウムの土

苔には細粒の赤玉土か鹿沼土、または苔用ソイルが合います。苔の根のように見える部分は仮根(かこん)と呼ばれ、主な役割は体を地面に固定することです。苔は葉の表面から水分を取り込むため、土からの栄養はほとんど必要ありません。

赤玉土の細粒だけでも苔は育ちます。迷ったら赤玉土と鹿沼土を半分ずつ混ぜてみましょう。粒が細かいと、苔を挿したときに倒れにくくなります。植え付けの手順は苔テラリウムの作り方|材料・苔の選び方・育て方を初心者向けに解説で詳しく扱っています。

多肉植物・サボテンの土

多肉植物とサボテンは、水はけを最優先に考えます。粒は小粒を選び、赤玉土に軽石を混ぜて水の抜け道をつくりましょう。配合の一例としては、赤玉土6に対して軽石4くらいが目安です。

市販の多肉植物用の土は便利ですが、元肥(もとごえ:あらかじめ混ぜてある肥料)入りの製品も目立ちます。肥料が書かれていないものを選んでください。容器選びやレイアウトはサボテンテラリウムの作り方|密閉NGの理由と砂漠風レイアウトにまとめています。

観葉植物の土

フィットニアやシダのように湿り気を好む植物には、保水性のある細粒〜小粒の土が向きます。赤玉土にソイルを混ぜると、乾きすぎを防げます。

観葉植物用の培養土を使うなら、有機物を使っていない無機質タイプに限りましょう。基本的に肥料は不要です。長く育てて生育が鈍ったときだけ、液体肥料を規定よりさらに薄めて少量与えます。倍率は製品によって異なるため、ラベルの表示に従ってください。観葉植物のテラリウム全体の作り方は観葉植物のテラリウムの作り方で紹介しています。


テラリウムの層の作り方と厚みの目安

土を選んだら、次は容器の中にどう重ねるかです。テラリウムの土は、下から排水層、根腐れ防止材、植え込みの土の順に重ねます。

層の構造と厚み

容器を横から見ると、次のような構造になります。

【容器の断面図(上が表面)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  苔・化粧砂 …………………… 表面
  植え込みの土 ………………… 2〜5cm
  ミズゴケ(仕切り・任意)…… ごく薄く
  ゼオライトか活性炭 ………… 薄く一面
  軽石(排水層) ……………… 1〜3cm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
層 厚みの目安 役割
軽石(排水層) 1〜3cm 余分な水をためて、根が水につかるのを防ぐ
ゼオライト・活性炭 薄く一面 底にたまった水のにおいや汚れを抑える
ミズゴケ ごく薄く(なくてもよい) 土が軽石のすき間に落ちるのを防ぐ
植え込みの土 2〜5cm 植物の根を張らせ、水分を保つ

土の厚みは、排水層のおよそ2倍を目安にするとバランスがとれます。たとえば軽石を2cm敷いたら、土は4cm前後です。奥を高く、手前を低くすると、横から見たときに奥行きが出ます。

下から順に重ねる手順

  1. 容器の底に軽石を入れ、表面を平らにならします
  2. ゼオライトか活性炭を、軽石が隠れる程度に薄く広げます
  3. 土が下に落ちるのが気になるなら、戻したミズゴケを薄く敷きます
  4. 植え込みの土を入れ、奥が高くなるように斜面をつくります
  5. 霧吹きや水差しで土を湿らせ、割り箸の頭で軽く押さえて締めます

ミズゴケは乾燥圧縮タイプの水苔で十分です。戻し方は水苔の戻し方と使い方|盆栽・苔玉・テラリウムでの活用法で解説しています。

必要な土の量の計算方法

土の量は、容器の底面積に厚みをかけると見積もれます。円柱形の容器なら、次の表がおおよその量です。

容器の直径 土3cmの量 軽石2cmの量
10cm 約0.25L 約0.15L
15cm 約0.5L 約0.35L
20cm 約0.95L 約0.6L

この数値は円柱形の場合の計算値です。丸い金魚鉢型のように底がすぼまった容器は、これより少なくて済みます。土は湿らせると沈むため、計算より2〜3割多めに用意しておくと足りなくなりません。


穴なし容器でも根腐れさせない水の対策

ガラス容器にはふつう排水穴がありません。だからこそ、底の軽石の層が水の逃げ場として働きます。

排水層を見れば水の量がわかる

ガラス越しに軽石の層を見てみましょう。ここに水がたまっていなければ、与えた水はおおむね土に吸われています。軽石のすき間が水で満ちていたら、与えすぎのサインです。

排水層の様子 判断 対応
乾いていて、土の表面も乾いている 水不足の可能性 霧吹きで少しずつ与える
底にうっすら水が見える 許容範囲 そのまま様子を見る
軽石の上まで水がたまっている 与えすぎ 水を吸い出し、フタを開けて乾かす

苔テラリウムでは、土よりもガラスの結露を見て水やりを判断します。結露の見極め方は苔テラリウムが枯れる・カビる原因と対処法|症状別の見分け方で詳しく解説しています。

たまった水の抜き方

排水層に水がたまってしまったら、早めに抜きましょう。

  • 容器のふちからスポイトを差し込み、底の水を吸い出す
  • キッチンペーパーを細くよって差し込み、水を吸わせる
  • 小さな容器なら、手で土を押さえながらそっと傾けて水を出す

水を抜いたあとはフタを外し、半日ほど風を通します。植え付けのときに、ガラスの側面に沿って細いストローを1本差しておくと、あとから水を吸い出しやすくなります。


肥料入りの培養土をテラリウムに使わない理由

ホームセンターの園芸コーナーで目に入りやすいのは、草花用や観葉植物用の培養土です。ところが、これらはテラリウムには向きません。

肥料と有機物が起こすトラブル

肥料入りの土を穴のない容器に入れると、次のようなことが起こります。

  • 栄養が水に溶けて流れ出ず、容器の中にたまり続ける
  • 栄養を得た藻がガラスや土の表面に広がり、緑の膜になる
  • 腐葉土や堆肥がカビの餌になり、白い綿のようなカビが出る
  • 湿った有機物にコバエが卵を産み、小さな虫が飛び始める
  • 多肉植物が必要以上に伸び、ひょろ長い姿になる

苔は肥料を必要としません。多肉植物や観葉植物も、テラリウムでは大きく育てないほうが長く楽しめます。肥料を控えて成長をゆっくりにすると、容器の中で窮屈になるまでの期間を延ばせます。

袋の表示で見分けるポイント

培養土の袋には、肥料や有機物の有無が書かれています。次の言葉を見つけたら、テラリウム用には選ばないようにしましょう。

袋の表示 意味
元肥入り、緩効性肥料配合 肥料があらかじめ混ぜてある
腐葉土配合、堆肥配合 分解途中の有機物を含む
バーク堆肥 樹皮を発酵させた有機物
すぐに植えられる、肥料いらず 肥料入りであることが多い表現

反対に、単用の赤玉土・鹿沼土・軽石は、袋に肥料の記載がなければそのまま使えます。


テラリウムの土は100均・ホームセンターで買える?選び方の基準

ホームセンターや100均の土でも、テラリウムは十分に作れます。選ぶべきは、赤玉土・鹿沼土・鉢底石(軽石)のような単用の土です。「花と野菜の土」「観葉植物の土」のような培養土は、前の章の理由から避けましょう。

ダイソーなど100円ショップの園芸コーナーにも、赤玉土や鹿沼土、鉢底石が並んでいることがあります。品ぞろえは店舗によって違うため、売り場で表示を確かめてから選んでください。

買う前に確認したい6項目

チェック項目 見る場所 使ってよい目安
肥料の有無 成分表示・袋の表面 肥料の記載がない
有機物の有無 原料の欄 腐葉土・堆肥・バークが入っていない
粒の大きさ 品名・表示 細粒〜小粒
微塵の量 袋の底 粉がたまっていない
袋の状態 袋全体 破れがなく、カビ臭さがない
容量 表示(L) 計算した必要量より多い

ホームセンターは量が多く割安で、2つ目以降も作るなら1袋で長く使えます。100均は少量で試したいときに便利です。どこで何を買うと無駄がないかは、苔テラリウムの材料はどこで買える?ホームセンター・100均・専門店を比較で比べています。

買った土は微塵を抜いてから使う

赤玉土や鹿沼土は、袋の中で粒どうしがこすれて微塵が出ています。そのまま入れると、水やりのたびにガラスの内側が泥で汚れ、底に泥がたまって水はけも悪くなります。

目の細かいザルやふるいでふるうか、バケツの水で数回すすいで濁りを流しましょう。ひと手間ですが、ガラスがきれいに保てる期間がはっきり変わります。100均の材料だけで1つ仕上げたい方は、テラリウムを100均で作る方法|材料・手順・コツを初心者向けに解説もあわせてどうぞ。


テラリウムの土のカビ・悪臭の見分け方

土選びに気をつけていても、作ったあとに土の表面に白いものが見えると不安になります。ただし、白く見えるものがすべてカビとは限りません。

見た目とにおいで正体を見分ける

見え方・におい 正体 対処
白い綿のようにふわふわ広がる カビ ピンセットで取り除き、フタを開けて換気する
白く硬い粒が点々と見える 鹿沼土・軽石・ゼオライトの粒 問題なし
表面が白い粉や結晶で覆われる 水に含まれるミネラルの固まり 表面の土を薄く取り替える
小さなキノコが生える 土や流木に含まれる有機物 抜き取り、有機物の少ない土に替える
ガラスや土に緑の膜がつく 藻 光の強さと土の栄養を見直す
ドブや腐った卵のようなにおい 水がたまり、酸素不足で腐敗している 土を入れ替える
雨上がりの森のような土のにおい 正常 そのままでよい

見分けるコツは、ピンセットの先でそっと触れたときの感触です。ふわっと崩れるならカビ、硬くてざらつくなら土の粒やミネラルです。

においが出たら土ごと入れ替える

腐ったようなにおいは、底に水がたまり続けて土の中の酸素が足りなくなったサインです。この状態になると、表面だけ直しても戻りません。

植物をいったん取り出し、土は新しいものに替えましょう。軽石は水でよく洗って乾かせば、もう一度使えます。入れ替えたあとは、排水層に水がたまらない量を意識して水やりをしてください。

光が足りないと土が乾きにくく、カビやにおいが出やすくなります。窓から離れた場所に置いているなら、育成ライトで光を補う方法もあります。ワット数や点灯時間の目安はテラリウムのライトの選び方|容器サイズ別のワット数と点灯時間にまとめています。


まとめ|テラリウムの土は「肥料なし・粒状」を選べば失敗しにくい

最後に、テラリウムの土選びのポイントを振り返ります。

  • テラリウム向きの土は、肥料と有機物がなく、粒状で微塵が少ないもの
  • 最初の1つなら赤玉土の細粒で十分。見た目を整えたいならソイルを選ぶ
  • 苔は細粒、多肉植物・サボテンは水はけ重視の小粒、観葉植物は保水性のある細粒〜小粒
  • 層は下から軽石1〜3cm、根腐れ防止材を薄く、土2〜5cmが目安
  • 穴なし容器では、ガラス越しに排水層の水を見て与えすぎを防ぐ
  • 元肥入りや腐葉土入りの培養土は、カビ・藻・コバエの原因になるので使わない
  • ホームセンターや100均でも、単用の赤玉土・鹿沼土・軽石なら使える
  • 白い綿状はカビ、硬い粒は土、腐敗臭が出たら土ごと入れ替える

土は完成すると表面しか見えませんが、テラリウムの元気さを左右しているのはその下の数センチです。袋の表示を確かめて、肥料なしの赤玉土と軽石をひと袋ずつ手に取るところから始めてみましょう。ぜひ、あなたも自分で選んだ土で、長く楽しめるテラリウムを作ってみませんか?

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この記事を書いた人

盆栽・庭木・観葉植物の育て方や選び方を発信する「sabi-green.」の編集チームです。専門書や生産者・園芸店の情報、専門サイトの情報などをもとに、初心者が疑問に思いやすいポイントを整理してお届けしています。

「盆栽は難しそう」「すぐ枯らしてしまう」という悩みを自分自身も経験してきたからこそ、専門書的な正しさよりも、初心者が実際につまずくポイントに寄り添った情報をお届けしたいと考えています。

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