テラリウムでメダカを飼う方法|レイアウトと水質管理のコツ

テラリウムで泳ぐメダカのレイアウト
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「苔テラリウムには慣れてきたので、次は生き物も入れてみたい」。そう考えて、メダカに目を向ける方はたくさんいます。

ところが、おしゃれなガラス容器にメダカを入れたら、数日で弱ってしまったという話もよく耳にします。つまずく原因は、たいてい水の量が足りないことと水質の悪化です。

メダカと植物を一緒に楽しむなら、陸地と水場をあわせ持つ「アクアテラリウム」の形が向いています。水量を確保して、ろ過と空気の通り道を整えれば、デスクのそばに小さな水辺の景色を長く置いておけます。

この記事では、テラリウムでメダカを飼うのに必要な道具と、匹数と容器サイズの目安をまとめました。陸と水のバランスを取るレイアウトの作り方、水換えのコツ、よくある失敗のQ&Aも紹介します。読み終えるころには、メダカが元気に泳ぐ水辺を自分で組み立てる道筋が見えているはずです。

先に要点をまとめます。

  • 苔だけを育てるコケリウムには、メダカは入れられません
  • メダカを飼うなら、水場を広く取ったアクアテラリウムとして作ります
  • 水量はメダカ1匹あたり2Lを目安にすると余裕が生まれます
  • 陸と水の比率は、陸3:水7から始めると失敗しにくいです
  • メダカを入れるのは、水を張ってから1〜2週間たってからにします

目次

テラリウムでメダカは飼える?コケリウムとの違い

テラリウムでメダカを飼うことはできます。ただし、苔を密閉容器で育てるコケリウムをそのまま使うのではありません。水場を主役にしたアクアテラリウムを、最初からメダカのために設計します。

苔が主役か、メダカが主役か

一言で整理すると、コケリウムは「苔が主役」、メダカのテラリウムは「生き物が主役」です。同じガラスの中の緑でも、考え方が逆になります。テラリウムそのものの基本はテラリウムとは?種類・始め方・植物の選び方を初心者向けに解説で確認できます。

項目 コケリウム(苔テラリウム) メダカのアクアテラリウム
主役 苔 メダカ
フタ 閉める、または半分閉める 開けておく(飛び出し防止のネットのみ)
水 霧吹きで湿らせる程度 容器の半分以上が水場
ろ過・空気 不要 フィルターかエアポンプがあると安心
日々の手入れ 霧吹き、ときどきトリミング エサやり、週1回の水換え
留守 2〜3週間空けても保てることが多い 2〜3日が目安。長期は対策が必要

コケリウムそのものの特徴はコケリウムとは?苔テラリウムとの違いと始め方を初心者向けに解説で詳しくまとめています。

メダカを飼うなら「フタなし・水量多め」が前提

コケリウムはフタで湿気を閉じ込めて苔を育てます。一方のメダカには、新しい空気と、フンを薄めるだけの水量が欠かせません。

小さなボトルに水を数百mL入れただけでは、エサの残りやフンがすぐにたまります。水はにごり、メダカは数日で弱ってしまいます。

設計するときは、先にメダカが暮らせる水量を決めましょう。陸地は、残ったスペースに作ります。この順番を守るだけで、失敗はぐっと減ります。

コケリウムにどんな生き物なら同居できるかは、コケリウムに入れられる生き物|同居できる種類と必要な設備で整理しています。


テラリウムでメダカを飼う容器サイズと必要な道具

考え方がわかったところで、具体的な容器と道具を決めていきます。最初に決めるのは「何匹飼うか」と「水が何L入るか」です。

水量とメダカの数の対応表

メダカは「1匹あたり水1L」が最低ラインとよくいわれます。ただ、アクアテラリウムは陸地のぶん水が少なく、汚れもたまりやすい環境です。1匹あたり2Lを目安に、余裕を持たせましょう。

水量 メダカの数の目安
2L未満 飼育には向かない
3L 1匹
5L 2匹
10L 4〜5匹
20L 8〜10匹

よく使われる水槽に当てはめると、次のようになります。

水槽の例 満水時の容量 アクアテラにしたときの水量 メダカの数
20cmキューブ 約8L 約3〜4L 1〜2匹
30cm規格(30×18×24cm) 約13L 約5〜7L 2〜3匹
30cmキューブ 約27L 約12〜15L 5〜7匹
45cm規格(45×24×30cm) 約32L 約14〜18L 7〜9匹

実際の水量は、陸地の大きさや水位で変わります。最初の水換えのときに、抜いた水をバケツで量っておくと正確な数字がわかります。はじめての1台なら、30cmクラスの水槽が扱いやすいサイズです。

水槽は、サイズと予算に応じて選ぶのがおすすめです。

水深と水温もあわせて確認する

水深は5cm以上、できれば10cm前後あると安心です。メダカは水面近くを泳ぐ魚ですが、浅すぎると水温が変わりやすくなります。

メダカは寒さにも暑さにも比較的強い魚です。それでも、20〜28℃くらいがもっとも活発に動く水温とされています。30℃を超える日が続くと弱りやすいので、夏の室温には気を配りましょう。

小さな容器ほど、水温は外の気温に引っぱられます。窓際やエアコンの風が直接当たる場所は避けてください。

必要な道具リスト

道具 役割 選び方の目安 必要度
ガラス水槽 本体 水量5L以上、上が開いている形 必須
底床(ソイル・砂) 植物の根張り、バクテリアのすみか 水中は吸着系ソイルか田砂 必須
造形材・石 陸地を作る 溶岩石、ケト土、流木 必須
フィルター 水をきれいに保つ 水流がやわらかい小型のもの 強くおすすめ
エアポンプ 水に酸素を送る スポンジフィルターと兼用できる フィルター次第
LEDライト 植物の光合成、観賞 水槽の幅に合うもの、タイマー併用 必須
カルキ抜き剤 水道水の塩素を消す 液体タイプが手軽 必須
水温計 水温の確認 ガラスに貼るタイプでも可 必須
飛び出し防止ネット メダカの飛び出しを防ぐ 空気が通るメッシュ あると安心
霧吹き 陸地の苔を乾かさない 細かいミストが出るもの あると便利

LEDライトは、タイマー機能付きの小型水槽用LEDライトのように点灯時間を自動化できるタイプだと、毎日スイッチを操作する手間が減ります。

底床選びには注意点があります。養分を多く含む栄養系ソイルは、使い始めにアンモニアを出すことがあります。メダカを早く入れたいなら、養分を吸着する吸着系ソイルや、田砂などの砂を水中に使いましょう。

フィルターとエアレーションは必要?

はじめてなら、フィルターは付けておくのが安心です。メダカは強い水流が苦手なので、水流がやさしい投げ込み式の小型フィルターのように、流れのやわらかいタイプを選びます。

方式 特徴 向いている人
スポンジフィルター(エアポンプ式) ろ過とエアレーション(空気の補給)を1台でこなす。水流がやさしい はじめての人
外掛け式フィルター 水槽のふちに掛けるだけ。ろ過する力が強い 30cm以上の水槽を使う人
フィルターなし 水草と少ない匹数で保つ。水換えの回数が増える 経験のある人

アクアテラリウムは水位を低めにするため、ふつうの外掛け式では吸い込み口が水面に届かないことがあります。購入前に「低水位対応」かどうかを確認しましょう。

水槽そのものの選び方は水槽で作るテラリウムの始め方|サイズの選び方と植物・管理のコツもあわせて参考になります。


メダカと植物を両立させるテラリウムのレイアウト

道具がそろったら、いよいよレイアウトです。陸地を広く取りたくなる気持ちをぐっとこらえて、まずは水場を確保します。

陸3:水7を基準に考える

比率は、水槽を真上から見たときの面積で考えます。

陸:水の比率 特徴 おすすめ度
陸3:水7 水量に余裕があり、メダカが泳ぐ面積も広い はじめての1台に
陸4〜5:水5〜6 景色のバランスがよい。匹数は少なめにする 慣れてきたら
陸6以上:水4以下 水量が足りなくなりやすい メダカ飼育には不向き

形は、奥を高くして手前を水場にするか、左右どちらかを陸地にするのが作りやすい配置です。水際をゆるやかな斜面にすると、自然な川辺の雰囲気が出ます。

陸地に向く苔・観葉植物と水草

植える場所ごとに、湿り気への強さで植物を選びます。

植える場所 植物 ポイント
陸地の高いところ ホソバオキナゴケ いつも濡れている場所は苦手。水面から離す
陸地の水際 ハイゴケ、シノブゴケ 湿り気に強く、水辺になじむ
陸地 フィットニア、小型のシダ類 高い湿度を好む
水際〜水中 アヌビアス・ナナ、ミクロソリウム 石や流木に付けて育てる。根茎は埋めない
水中 ウィローモス 石や流木に巻きつけられる。メダカの隠れ家になる
水面 マツモ 浮かべるだけで育つ。水中の余分な養分を吸う

日なたを好むスナゴケは、室内の水辺には向きません。苔ごとの性質は苔の種類一覧|身近な15種の見分け方と育てやすさを解説で確認できます。

作り方の流れ

  1. 水槽を水だけで洗う(洗剤は使わない)
  2. 溶岩石を積み、すき間をケト土で埋めて陸地の斜面を作る
  3. 水場に吸着系ソイルか田砂を2〜3cmほど敷く
  4. 低い位置からそっと水を注ぎ、フィルターを設置する
  5. 霧吹きで湿らせた苔を陸地に貼り、観葉植物と水草を植える(苔部分の水やりの考え方は苔テラリウムの育て方|枯らさない水やりと管理のコツを初心者向けに解説も参考になります)
  6. ライトを1日6〜8時間当てて、メダカなしで運転する

陸地の植物は、根元が水面より2〜3cm以上高くなるように植えます。根が水につかりっぱなしになると、根腐れの原因になるためです。

陸地に水を流して景色に動きをつけたい場合は、コケリウムに滝を作る方法|ポンプと造形材で水を循環させる手順の考え方が応用できます。

メダカを入れるのは1〜2週間後

水を張ってすぐの水槽には、フンを分解するバクテリアがまだいません。フンやエサの残りからは、メダカに有害なアンモニアが出ます。これをバクテリアが無害に近い物質へ変えてくれるまで、時間が必要です。

水を張ったら、1〜2週間はフィルターとライトだけを動かしておきましょう。この「空回し」の期間に、植物も新しい環境に慣れていきます。

稚魚サイズから育てられるめだかのセットを迎えたら、袋ごと水槽に30分ほど浮かべて水温をそろえましょう。そのあと、水槽の水を少しずつ袋に足して水質にもならしてから放します。最初は予定の半分くらいの数から始めると、水槽への負担を抑えられます。


テラリウムのメダカを守る水換えと水質管理

レイアウトが完成したら、日々の管理に移ります。メダカの元気は、ほぼ水の状態で決まります。

水換えの頻度とやり方

項目 目安
水換えの頻度 1週間に1回
1回に換える量 全体の4分の1〜3分の1
使う水 カルキを抜いた水道水
水温 水槽の水とそろえる
エサ 1日1〜2回、2〜3分で食べきる量
照明 1日6〜8時間(タイマーが便利)

水を一度に全部換えるのはやめましょう。せっかく育ったバクテリアが減り、かえって水質が不安定になります。

フィルターのスポンジを洗うときも、水道水ではなく、抜いた飼育水で軽くすすぐ程度にとどめます。

アンモニアと「コケ(藻)」への対処

アクアリウムで「コケ」と呼ぶのは、ガラスや石につく藻のことです。陸地に植える苔とは別物なので、混同しないようにしましょう。

藻が増える原因は、光の当てすぎ、直射日光、エサの与えすぎのどれかがほとんどです。次の順で見直してみてください。

  • ライトの点灯時間を6時間ほどに縮める
  • 窓からの日差しが当たっていないか確かめる
  • エサの量を減らす
  • ガラス面の藻は、水槽用のスポンジでこすり落とす
  • 藻を食べるヒメタニシやミナミヌマエビを数匹入れる

アンモニアは目に見えません。メダカの様子がおかしいときは、市販の水質検査の試験紙で確かめると原因を絞り込めます。数値が高ければ、3分の1ほど水を換え、1日エサを止めて様子を見ます。

やってはいけないNG行動

NG行動 起こること かわりにすること
直射日光の当たる窓辺に置く 水温が急に上がり、藻が大量に出る 直射日光の当たらない明るい場所とLEDで育てる
過密飼育 フンが増えてアンモニアがたまる 1匹あたり2Lを守る
エサの与えすぎ 食べ残しが腐って水が汚れる 2〜3分で食べきる量にする
フタを閉め切る 酸欠や高温を招く メッシュのネットで飛び出しだけ防ぐ
水を全部換える バクテリアが減り水質が崩れる 3分の1までにとどめる
水道水をそのまま入れる 塩素でメダカが弱る カルキ抜きをしてから使う
飼えなくなったメダカを川や池に放す 野生のメダカと交雑し、地域の生態系を乱す 譲り先を探す

とくに直射日光と過密飼育は、短い期間でメダカを弱らせます。日本の野生メダカは環境省のレッドリストで絶滅危惧II類に指定されており、自然に放すことも絶対に避けましょう。


テラリウムでメダカを飼うときのよくある失敗Q&A

最後に、はじめての方がつまずきやすいポイントをQ&Aでまとめます。

Q. メダカが水面で口をパクパクしています

酸素が足りていないサインです。この様子を「鼻上げ」と呼びます。エアポンプを足すか、フィルターの水流で水面を少し揺らしてみましょう。水温が高すぎないか、匹数が多すぎないかもあわせて確認します。

Q. メダカが浮いて動かなくなりました

1匹だけなら、寿命や体調の問題も考えられます。続けて起きる場合は、水質の悪化を疑いましょう。死んだメダカはすぐに取り出し、3分の1ほど水を換えます。立ち上げから日が浅い水槽で起きやすいトラブルです。

Q. 陸地の植物が根腐れします

根元が水につかりっぱなしになっています。石やケト土を足して陸地を高くするか、水位を少し下げましょう。霧吹きの回数を減らすのも手です。水際には、湿り気に強い苔や水草を選び直します。

Q. 水が白くにごります

立ち上げ初期に、バクテリアのバランスが整っていないときに起こります。エサを控えめにして、少量の水換えで様子を見ましょう。数日から1週間ほどで落ち着くことがよくあります。全部の水を換えると長引くので注意してください。

Q. 水が緑色になりました

水中で植物プランクトンが増えた状態です。メダカにすぐ害が出るものではありませんが、観賞はしにくくなります。光の量と時間を減らし、こまめな水換えで少しずつ透明に戻します。

Q. 冬にヒーターは必要ですか?

暖房のある室内なら、ヒーターなしでも冬を越せることがほとんどです。水温が下がるとメダカの動きは鈍り、エサもあまり食べなくなります。冬も活発に泳ぐ姿を見たい場合は、小型のヒーターで20℃前後に保つ方法があります。

Q. 2〜3日の留守は大丈夫ですか?

元気な大人のメダカなら、2〜3日エサがなくても問題ないことがほとんどです。出かける前に水換えを済ませ、ライトはタイマーで動かしておきます。夏は留守中の室温の上がりすぎに気をつけましょう。


まとめ|テラリウムでメダカと小さな水辺を育てよう

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • コケリウムは苔が主役、メダカのアクアテラリウムは生き物が主役
  • メダカを飼うなら、フタは開けて水量を多めに確保する
  • 水量は1匹あたり2Lが目安。はじめてなら30cmクラスの水槽が扱いやすい
  • 陸と水の比率は陸3:水7から始め、植物の根元は水面より高くする
  • 水を張ったら1〜2週間の空回しをしてからメダカを迎える
  • 水換えは週1回、全体の4分の1〜3分の1をカルキを抜いた水で行う
  • 直射日光、過密飼育、エサの与えすぎ、全換水は避ける

苔テラリウムで植物を育てる感覚が身についていれば、陸地づくりはすでに得意分野です。あとはメダカのために水場を広く取り、空回しの2週間を待つだけで、ぐっと成功に近づきます。

まずは30cmほどの水槽とスポンジフィルターを用意して、陸3:水7の小さな水辺を組んでみましょう。ぜひ、あなたもメダカが泳ぐ緑の景色をデスクのそばに迎えてみませんか?

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この記事を書いた人

盆栽・庭木・観葉植物の育て方や選び方を発信する「sabi-green.」の編集チームです。専門書や生産者・園芸店の情報、専門サイトの情報などをもとに、初心者が疑問に思いやすいポイントを整理してお届けしています。

「盆栽は難しそう」「すぐ枯らしてしまう」という悩みを自分自身も経験してきたからこそ、専門書的な正しさよりも、初心者が実際につまずくポイントに寄り添った情報をお届けしたいと考えています。

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