庭のレイアウトを変えたい。家を建て替えるので、玄関前のシンボルツリーを別の場所へ移したい。そう考えて費用を調べはじめると、金額の幅が広すぎて戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。数千円と書いてあるサイトもあれば、100,000円超という記述も見かけます。
2026年9月時点で公開されている複数の料金情報をならすと、庭木の移植費用の目安は、低木で5,000円〜12,000円程度、中木で15,000円〜35,000円程度、高木で40,000円〜80,000円程度です。地域や業者、庭の条件によって前後します。
この記事では、高さ別の相場、費用の内訳、自分でできる大きさの目安、移植に向く時期、依頼前の確認点を、表を中心に整理しました。気になる項目から読み進められます。読み終えるころには、手元の見積もりが妥当かどうかを自分の目で判断しやすくなるはずです。
庭木の移植費用はいくら?高さ別の相場
移植費用は樹高で大きく変わります。まずは全体像をつかみましょう。
冒頭でお伝えした目安を、樹高ごとに表へまとめました。区切り方が出典によって異なるため、幅を持たせて示します。
| 樹高の目安 | 呼び方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 0.5m〜1.5m | 低木 | 5,000円〜12,000円程度 |
| 1.5m〜3m | 中木 | 15,000円〜35,000円程度 |
| 3m〜5m | 高木 | 40,000円〜80,000円程度 |
同じ3mの木でも、庭の奥まったところにあるか、道路に面しているかで手間が変わります。あくまで出発点の数字として見てください。
料金の区切り方は業者ごとに違う
高さの刻み方も、単価の付け方も統一されていません。別の料金表では、0m〜3m未満が12,000円、3m〜5m未満が20,000円、5m〜7m未満が50,000円という単価が示されています。先ほどの表と比べると、同じ高さでも金額がずいぶん違って見えます。
この差は、どこまでを基本料金に含めるかの違いから生まれます。掘り取りだけの単価なのか、運搬や土の手当てまで込みなのかで、総額はまったく変わってきます。
だからこそ、2〜3社に現地を見てもらい、総額と内訳の両方を並べて比べるやり方がおすすめです。安い単価に見えて追加項目が積み上がる、という食い違いを早い段階で防ぎやすくなります。
移植費用の内訳|どこにお金がかかる?
移植は、木を抜いて植え直すだけの作業ではありません。いくつもの工程の合計として金額が決まります。
見積書に並びやすい項目をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掘り取り費 | 根鉢(ねばち)を崩さずに掘り上げる作業 |
| 運搬費 | 移植先までの運び賃。距離と重さで変わる |
| 機械代 | クレーンやユンボなどの重機の使用料 |
| 支柱代 | 倒れ防止の支柱を組む費用 |
| 客土代 | 植え穴に入れる新しい土の代金 |
| 残土・枝の処分費 | 掘った土や切った枝の引き取り |
根鉢とは、根と土がひとかたまりになった部分のことです。ここを崩すと木が弱るため、丁寧に掘るほど手間賃がかさみます。
幹が太いと100,000円を超えることも
目安として、重機が必要になる太い木は100,000円以上かかることが多いという情報もあります。幹径5cm前後を境にする説明もありますが、区切りは業者によって異なります。表の金額は、人力や小型の機械で移せる場合の目安です。幹が太く重機が必要な木は、樹高が中木でも高木でも、表を大きく上回ることがあります。重機が入るとなると、話は金額だけにとどまりません。
| 確認したいこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 重機が入る通路の幅 | 入らなければ人力作業になり割高になる |
| 道路使用許可 | 公道に車両を停める場合に手続きが要る |
| 電線や隣家との距離 | 吊り上げ作業の可否を左右する |
庭の奥にある木ほど、金額が跳ね上がりやすいと考えておきましょう。
シンボルツリーの移植費用が高くなりやすい理由
玄関前のシマトネリコ、オリーブ、常緑ヤマボウシといったシンボルツリーは、樹高が中木クラスでも移植費用が高くなりやすいという情報があります。理由は立地にあります。
- 玄関まわりは門柱や花壇に囲まれ、重機を寄せにくいです
- 塀や壁の近くで根が片寄り、掘る範囲が読みにくいです
- 仕上がりの見栄えを求められ、支柱や整枝の手間が増えます
ちなみにオリーブは、鉢植えの盆栽としても親しまれている樹です。小さく仕立てる楽しみ方に興味があればオリーブ盆栽とは?初心者でも育てやすい地中海の小さな樹木の魅力もご覧ください。
庭木の移植は自分でできる?
判断の分かれ目は、幹の太さと根鉢の重さです。
土を含んだ根鉢は見た目よりずっと重く、直径40cmほどでも数十kgになることがあります。腰を痛めたり、木を落として幹を割ったりする事故が起きやすいところです。
| 条件 | 自分でやる | 業者に頼む |
|---|---|---|
| 樹高1m未満・植えて1〜2年 | ◯ | ― |
| 樹高1m〜2m・幹径5cm以下 | △(2人以上で) | ◯ |
| 樹高2m超、または幹径5cm超 | ✕ | ◯ |
| 重機が必要・隣家に近い | ✕ | ◯ |
自分でやるなら押さえたい手順
小さな木を移すときは、次の流れで進めます。
- 移植先の植え穴を先に掘っておきます
- 幹から離れた位置に円を描くように溝を掘ります
- 根鉢を崩さないよう、麻布などで包んで持ち上げます
- 新しい穴に据え、土を入れて水で泥を流し込みます
- 支柱を立てて固定します
掘り上げる前に枝葉を減らしておくと、根とのつり合いが取れて負担が軽くなります。切る枝の選び方は、鉢植えの盆栽の話になりますが盆栽の剪定の基本|時期・やり方・忌み枝の見分け方を初心者向けに解説の考え方が参考になります。
庭木の移植はいつがよい?時期の考え方
木が活動を休んでいる時期、あるいは活動が落ち着いている時期を選びます。
一般に、落葉樹は葉を落とした休眠期、常緑樹は新芽が動く前後が移植に向くと言われます。具体的な月は樹種と地域によって前後しますので、業者や近くの造園店に確認してください。
| タイプ | 向くとされる時期 | 避けたい時期 |
|---|---|---|
| 落葉樹 | 葉を落としている休眠期 | 新芽が伸びている最中 |
| 常緑樹 | 新芽が動く前後の穏やかな時期 | 真夏と厳寒期 |
真夏の移植は水切れを起こしやすく、避けるのが無難です。どうしてもその時期しか動かせない場合は、葉を大きく減らすなどの手当てを業者と相談しましょう。
根回しという準備がある
大きな木では、移植の半年から1年ほど前に根の一部を切っておく根回し(ねまわし)という作業を行うことがあります。あらかじめ細い根を出させておき、移植のショックを和らげるねらいです。
根回しを挟むと工程が増えるぶん費用も上がります。それでも、大切な木を枯らすリスクを下げる手立てとして提案される場合があります。
なお、根をいじる作業に適した時期という考え方は、鉢植えの盆栽の植え替えでも共通しています。仕組みから理解したい方は盆栽の植え替えの基本|時期・やり方・用土を初心者向けに解説が参考になります。
移植した庭木は枯れない?リスクと備え
移植は根を切る作業ですから、木に負担がかかります。必ず根づくとは限らない点は、あらかじめ受け入れておく必要があります。
活着(かっちゃく)とは、移した先で根が張り直すことです。活着するまでの期間は、水やりと支柱の管理が要になります。
移植後に気をつけたい点を挙げます。
- 植えた直後はたっぷり水を与え、しばらくは乾かしすぎないようにしましょう
- 支柱がゆるんでいないか、風の強い日のあとに確認しましょう
- 葉が一度しおれても、すぐにあきらめず数週間ようすを見ましょう
- 肥料は根が落ち着くまで控えめにしましょう
枯れ保証の有無を業者に確認する
業者によっては、移植後一定期間内に枯れた場合の対応を定めていることがあります。見積もりの段階で、枯れたときにどうなるかを口頭ではなく書面で確認しておきましょう。
保証の条件は、施主側の水やり管理が含まれるかどうかでも変わります。あいまいなまま進めると、あとで話がかみ合わなくなります。
移植と伐採で迷ったときの考え方
思い入れのない木で、移植先の条件も悪いなら、伐採して植え直すほうが結果的に安く済む場合があります。判断の軸を整理しました。
| 状況 | 向いている選択 |
|---|---|
| 思い入れが強い木、記念樹 | 移植 |
| 移植先に十分な日当たりと広さがある | 移植 |
| 幹が太く重機が必要で、代わりが利く木 | 伐採して新しく植える |
| 樹勢が弱っている、病害虫が出ている | 伐採を含めて相談 |
どちらにするか迷う段階でも、現地調査は受けられます。両方の金額を出してもらうと比べやすくなります。
庭木の移植を業者に頼む前の確認点
正確な金額は、現場を見てもらわないと出ません。高さ、幹の太さ、周囲の広さ、移植先までの距離が、そのまま金額に響くためです。
問い合わせの前に、次の情報を手元にそろえておくとやり取りが早く進みます。
- 木の種類と、だいたいの高さ
- 幹の太さ(地際から少し上の直径)
- 移植元と移植先の場所、その間の距離
- 重機が入れる通路の幅
- 希望する時期
見積書で見るところ
総額だけを見て決めると、あとで追加請求に驚くことがあります。次の項目が書かれているか確かめてください。
| 見るところ | 確認の観点 |
|---|---|
| 内訳の記載 | 掘り取り、運搬、機械、支柱、客土が分かれているか |
| 処分費 | 残土や枝の引き取りが含まれているか |
| 出張費・駐車場代 | 別途になっていないか |
| 枯れ保証 | 期間と条件が書かれているか |
| 追加費用の条件 | どんなときに上乗せされるか |
複数の業者から同じ条件で見積もりを取り、総額と内訳を並べて比べるのが、納得して依頼するための近道です。極端に安い金額を出してきた業者には、何が含まれていないのかを聞いてみましょう。
まとめ|庭木の移植費用は高さと条件で決まる
庭木の移植は、木の大きさと庭の条件しだいで金額が大きく動きます。ポイントを振り返ります。
- 費用の目安は低木5,000円〜12,000円程度、中木15,000円〜35,000円程度、高木40,000円〜80,000円程度
- 高さの区切り方と料金体系は業者ごとに違うため、単価だけで比べないようにしましょう
- 総額は掘り取り・運搬・機械代・支柱代・客土代などの合計
- 重機が必要になる太い木は、100,000円以上になることが多いという情報もあります
- シンボルツリーは立地の制約から、中木クラスでも費用が高くなりやすい傾向があります
- 時期は落葉樹が休眠期、常緑樹が新芽の動く前後。樹種と地域によって前後します
- 移植は必ず成功するとは限らないため、枯れ保証の条件を書面で確認しましょう
まずは、移したい木の高さと幹の太さを測るところから始めてみましょう。その数字があれば、問い合わせの段階でおおよその幅を教えてもらいやすくなります。長く庭に立っていた木を次の場所へ送り出す前に、あなたも複数の見積もりを見比べてみませんか?

