小さな鉢に、赤やオレンジの実が色づく。そんな実もの盆栽の愛らしさに憧れて、育ててみたいと感じている方は多いのではないでしょうか。花とはまた違う、秋から冬にかけての彩りが魅力です。とはいえ、いざ始めようとすると「どの種類を選べばいいの?」「実がつかないと聞いて不安」と迷ってしまう方も少なくありません。実もの盆栽には、実をつけるための知識が欠かせません。
この記事では、実もの盆栽の魅力から、初心者におすすめの種類、選び方、実をたくさんつける共通のコツまでをわかりやすく解説します。読み終えるころには、自分にぴったりの一鉢を選び、季節の実りを手元で楽しむイメージがつかめるはずです。
実もの盆栽とは?実を楽しむ盆栽
実もの盆栽とは、実の色づく姿を主役に楽しむ盆栽のことです。南天やピラカンサ、姫りんごといった樹を小さな鉢で育て、秋から冬にかけての実りを味わいます。花もの盆栽が花を、松柏(しょうはく)盆栽が幹や葉を楽しむのに対し、実ものは実の彩りが見どころです。
いちばんの魅力は、葉が落ちたあとも長く楽しめることです。多くの実は、落葉後も枝に残ります。花のように数日で終わることがなく、色づいてから長い期間、目を楽しませてくれます。寒い季節に彩りを添えてくれる、心強い存在です。
実の色で選ぶ楽しみ
実もの盆栽は、実の色もさまざまです。好みの色から選ぶ楽しみもあります。
| 実の色 | 代表的な種類 |
|---|---|
| 赤 | 南天・ピラカンサ・ウメモドキ |
| オレンジ | 老爺柿・ツルウメモドキ |
| 黄 | 金豆(キンズ) |
| 紫 | 紫式部 |
赤い実のにぎやかさ、紫の実の上品さと、色によって印象が変わります。飾りたい雰囲気に合わせて選べます。
初心者におすすめの実もの盆栽
実もの盆栽には多くの種類があります。まずは、育てやすく実つきのよい樹から始めるのがおすすめです。代表的な種類をまとめました。
| 種類 | 実の特徴 | 育てやすさのポイント |
|---|---|---|
| 南天 | 冬の赤い実 | 丈夫で縁起もよい |
| ピラカンサ | 秋冬の赤い実 | 一本で実がなり実つき豊か |
| 姫りんご | 春の花と秋の実 | 花も実も楽しめる |
| キンズ | 黄色い実 | 香りも楽しめる |
まず選びたい育てやすい種類
初心者に特におすすめなのが、ピラカンサと南天です。ピラカンサは一本の株でも実がなり、枝を覆うほど豊かに実ります。丈夫で育てやすく、実つきで悩みにくい樹です。
南天は、冬に赤い実をつける縁起のよい樹です。「難を転じる」に通じるとされ、古くから親しまれてきました。丈夫で手がかからず、初めての実もの盆栽にも向いています。
実もの盆栽の選び方と雌雄の注意点
実もの盆栽を選ぶときに、ぜひ知っておきたいのが雌雄の関係です。ここを見落とすと、実がつかずにがっかりすることになります。選ぶ前に確認しておきましょう。
樹の種類によって、実のつき方が異なります。
| タイプ | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 雌雄異株 | 雌株と雄株があり、受粉が必要 | ウメモドキ・老爺柿・ツルウメモドキ |
| 一本で実がなる | 一株だけで実をつける | ピラカンサ・ベニシタン |
初心者は実つきの株が安心
雌雄異株の樹は、雌株だけでは実がつかないことがあります。実を楽しむには、雄株を近くに置いて受粉させる必要があります。この仕組みを知らずに雌株だけを買うと、花は咲いても実がつきません。
初心者の方は、すでに実がついた株を選ぶか、一本で実がなる種類から始めると失敗しにくくなります。ピラカンサやベニシタンは一株で実がなるため、手軽に実りを楽しめます。
実をたくさんつける共通のコツ
種類は違っても、実をつける基本の考え方は共通しています。ポイントを押さえれば、毎年の実りを楽しめます。
実つきをよくする共通のコツは次の3つです。
- しっかり日光に当てる:花芽の充実には十分な光が欠かせません
- 窒素肥料を控える:葉ばかり茂ると実つきが悪くなります
- 水切れを防ぐ:乾燥は花や実を落とす原因になります
とくに間違えやすいのが肥料です。窒素分の多い肥料を与えすぎると、枝葉ばかり茂って実がつきにくくなります。花や実を充実させるには、リン酸分を含む肥料を適量与えるのがコツです。また、実つきの時期の水切れは実を落とす原因になるので、乾燥に注意しましょう。
まとめ|実もの盆栽で季節の実りを楽しもう
実もの盆栽は、秋から冬の実りを手元で楽しめる、彩り豊かな盆栽です。最後に、大切なポイントを振り返っておきましょう。
- 実ものは、実の彩りが主役で、落葉後も長く楽しめる
- 初心者には、ピラカンサや南天が育てやすくおすすめ
- 雌雄異株の樹は、受粉に雄株が必要なので注意する
- 初心者は、実つきの株か一本で実がなる種類が安心
- 実つきの基本は、日光・窒素控えめ・水切れ対策
まずは、実つきの一鉢を、暮らしのそばに置いてみてください。寒い季節に色づく実は、日々にあたたかな彩りを添えてくれます。あなたも、お気に入りの実もの盆栽から始めてみませんか?

